第2章:トキコ【厚顔無恥】

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「はぁ、最悪。つまんないし、もう帰るわ……」 真っ赤なルージュが塗られた唇を動かして、そのまま会計もせず私は出口へ向かう。 今月の売り掛け金額は、約20万円。 本来なら月末の今日、すべての精算を済ませなければならないけど、こんなサービスの悪い店にお金を落とす気になんてなれない。 ここに来るのも、今日が最後ね。 私は指名していたNo.1ホストのカズの冷めきった視線を横目に、店の扉を開けて出て行った。
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