第2章:トキコ【厚顔無恥】

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翌朝。 私は枕元に置かれたスマホの着信音で目が覚めた。 「もしもし……」 「村岡さん。今日10時から出勤のシフトなんですが、今どちらにいらっしゃるんですか?」 電話の向こうで怒りの声を出しているのは、パート先のドラッグストアの店長だ。 耳からスマホを離し、画面を確認する。 最悪。もう10時過ぎてるじゃない。 「ああ、寝坊しました。今から行きます」 こっちがそう言い終える前に、電話は一方的に切られていた。
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