第2章:トキコ【厚顔無恥】

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背後から突き刺さる同僚からの軽蔑の眼差しに、苛立ちは増すばかり。 「あはは、辞めてくれて、良かった。もう二度と来るなって感じ」 「しかも、遅刻したことを棚に上げて、店長に逆ギレって……。本当にキチガイでしょ。旦那は海外で働いてるなんて言ってたけど、実際は逃げられたんじゃない?」 「うわっ、あり得る……。いい年して、ピンクのミニスカ履いてるのもキモいしね」 「そうそう。誰も、あんたの太い脚なんか見たくないっての。厚かましい女……」 聞こえていないと思っているのだろうか。 ヒソヒソと話す彼女たちに、私は睨むだけで返す言葉も無かった。
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