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あぁ! ムカつく!
傘をさし、苛立ちをアスファルトへぶつけるように駅へ向かって歩いていると、以前から気になっていたマッサージ店の看板が目に入った。
時刻はまだ、お昼前。
今から家に帰ったら、また母親に何を言われるかわからない。
暇つぶしに、寄って行こうかな……。
私は看板の先にある古びた階段を昇り、2階に位置する店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ」
足を踏み入れたのと同時に、白衣を着た銀髪の青年が深々とお辞儀をする。
「予約して無いんだけど、30分のボディコースってお願いできるかしら?」
「はい、こちらへどうぞ」
へぇ、若くてイイ男じゃない……。
顔を上げて爽やかな笑顔を向けた美青年に、私は思わず頬を赤く染めた。
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