第3章:トキコ【厚顔無恥 2】

2/11
前へ
/322ページ
次へ
雨のせいか他にお客さんの姿は無く、マッサージ師も彼1人のようだった。 店内には、カーテンで区切られたベッドが2台。 「こちらのベッドにうつぶせでお願いします」 青年に言われるまま、出入り口側のベッドに横になった30分間。 腰や肩をはじめ、彼の指に押される場所はまるで性感帯のように気持ちが良かった。 イケメンってだけで、大満足。 若い男の手の感触が、私の鼓動を高鳴らせる。 ああ……気持ちいい……。 あれほど苛立ち、眉間にシワの寄っていた自分の表情が瞬く間にほぐれていくのがわかった。
/322ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加