第1章:マオ【因果応報】

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「あのぉ……すみません」 わたしの猫なで声に、男が不愉快そうに顔を上げた。 何? そんな露骨に嫌な顔しなくたって良いじゃん。 吸い込まれそうなダークブラウンの瞳。 色白で細身だけど腕とかは筋肉質だし、顔も文句なし! 今までヤッた男の中でも、一番のイケメン。 彼と目が合った瞬間、わたしは今までに感じたことのない衝動に駆られた。 この男に抱かれてみたい……! 無意識のうちに、男の柔らかそうな唇に自分の唇を重ねていた。 僅かに開いた隙間から舌を強引に滑り込ませて、首に両腕を回す。 周りの人間が騒めいているのがわかる。 でも、そんなの知ったことじゃない。 夢中で何度も何度も男の唇に吸い付いた。
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