第3章:トキコ【厚顔無恥 2】

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「顔もブサイクなら、性格も最悪。アンタみたいに厚顔無恥で醜い女は、生きていても何の価値もなさそうだ」 「なっ!?」 「僕は醜いものが嫌いなんだ。さっさと帰れよ、このクソ女……」 淡々と告げるその声に私は反射的に店を飛び出し、慌てて階段を駆け下りた。 ドス黒い影のような……得体の知れない何かに追われる感覚。 恐怖の場から逃げ出す私の姿を周囲の人間は不思議そうに眺めている。 ヒールなんか履いてくるんじゃ無かった! しかし、そんな奇異な視線も土砂降りの雨にも構うことなく、何度もよろめきながら駅へ向かって走り、家路を急いだ。
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