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仕事を終えたヤスヒトは、いつものようにバーにいた。
カウンターの前に立つバーテンダーが、リズミカルに振るシェイカーの音が心地良い。
「お待たせしました。キッス・イン・ザ・ダークです」
いつもより度数の高い、深紅のカクテル。
ヤスヒトがゆっくり手を伸ばし、グラスに口を付けようとした時だった。
木製のドアが開き、まるでモデルのようなスタイルの茶髪の女性が店内に入ってきたのは。
「やあ、待ってたよ……ユリ」
ゆっくり後ろを振り返りるヤスヒトは、王子様のような爽やかな笑顔を向けていた……。
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