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「ユリちゃん、これどうしたの?」
翌日の放課後、担任の女の先生は私を教室に残して、2冊の教科書を指差して優しく尋ねた。
「お母さんが……」
思わずその言葉を発してしまった瞬間、担任が虐待を疑っていることに気付いた私は咄嗟に口をつぐんだ。
しまった!
「前々から、気にはなっていたんだけど……。ユリちゃん、お家でお母さんに叩かれたりしてない?」
担任の優しい目の奥に潜む、疑惑と怒りの色にユリは慌てて首を振った。
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