第4章:ユリ【臥薪嘗胆】

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「ちっ、違います! 私がいたずらで破いたから、お母さんが直してくれただけで!」 そんなこと、あるわけない。 明らかにウソだって、バレてた。 だけど、もし先生がお母さんを問い詰めたら? 誰も守ってくれない状況の中で、またヒステリーを起こされたら、何をされるかわからない。 もう、叩かれたくない。 傷付きたくないよ……。 助けの求め方を知らなかった私は、自分を守るためには完璧な人間になるしかないと、この時悟った。
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