第1章:マオ【因果応報】

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《所詮この世は金がすべて》 《一度寝た男とは二度と寝ない》 この2つがわたしの持論。 自分で言うのもシャクだけど、わたしは別に絶世の美女ってわけじゃない。 だけど、学生時代からどういうわけか男からのアプローチは多かった。 まあ、猫をかぶって男が喜ぶ女を演じることに抵抗は無かったし、SEXが好きなわたしの淫らな雰囲気に同年代の男たちも気付いていたのかもしれない。 ただ、「あのブリっ子に彼氏を獲られた」とか 「いつも男に色目を使ってる」って同級生から言われるのが段々鬱陶しくなって、特定の彼氏を作らず、一度寝た男とは二度と寝ないって決めた。 何より、わたしが本気で独占したいと思う男なんて1人もいなかったし。 いつか一瞬で恋に落ちる素敵な王子様が現れるんじゃないか……。 そんな淡い期待は自分でも気付かないうちに、胸の奥底にしまい込んでいた。
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