第1章:マオ【因果応報】

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高校を卒業した翌日、わたしは池袋西口公園の近くにあるキャバクラ《ブラックフェザー》に電話した。 理由は単純。 ネットで時給4000円~っていう求人情報を見たから。 事務所で行われた面接の担当者は、まるで全身を舐め回すようないやらしい目つきでわたしを観察していた。 ハゲだし、チビだし、出っ歯だし、心底キモい男だと思った。 「うん、イイねぇ……。マオちゃんは胸も大きいし、スタイルも抜群だ。これなら売り上げにも期待できそうだねぇ。早速だけど、明日から来れる?」 鼻息を荒くしたキモい男の言葉に頷き、わたしのキャバ嬢としての生活が始まった。 その後の3ヶ月間。 特別、努力をした覚えなんてない。 だけど、お得意の枕営業と男心をくすぐる甘え上手な女を演じることで瞬く間に指名を増やして、6月の売り上げではNo.3にまで登りつめていた。
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