第1章:マオ【因果応報】

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この調子ならNo.1なんてすぐじゃん。 そう思っていたけど、実際は働き始めて2年が過ぎても、わたしはまだ店のNo.2だった。 No.1のリナとの売り上げの差は毎月100万円くらいだったけど、どうしてもこの差が縮まらない。 あーあ、もっと楽して稼げる方法って無いのかなぁ? そんな心境の中オフ日に出会ったのは、切れ長の目が印象的な美形の男。 アイツは北口のホテル街近くにあるバーの店長だった。 駅前でナンパされた流れで軽く飲みに行って、さも当然のようにラブホテルへ入る。 「最近、しつこい客が多くてさー。売り上げも伸びないし、もうキャバ嬢辞めたいんだよねぇ」 わたしが赤いフリルのミニスカートを脱ぎながらグチると、ソファーでタバコを吸っていた男からは意外な言葉が返ってきた。
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