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原案(あらすじ)
目覚めるとそこはマンションの屋外階段の踊り場だった。男は自分がなぜそこにいるのかわからないまま階段を上り続け、最上階に至るとシャツを脱ぎ、目を閉じた。男の背中からはぷつぷつと何かが生え出し、そこから粉状の何かが飛び散っていった―――
同じマンションに住む幼なじみ同士の籠守ささめと平井翔太は、マンションの屋上で何かを背負った男が粉を吹き出すパフォーマンスをしているのを桜の花を見上げながら登校する。
学校から帰ると、屋上で男が変死していたことを第一発見者の翔太の弟が教えてくれる。
男の死因が不明のまま数ヶ月が経ち夏になる。風邪気味だが登校した翔太は学校で授業中に突然教室を出て行く。教師は翔太を止めようとするが、自分の意思に反するように翔太は学校の屋上に向かい、背中から奇妙な物を生やし始め、そしてそこから粉を吹き出し死亡してしまう。
ささめは翔太の死にショックを受けたが、同時期に屋上や高圧電流塔などの高所で奇妙な物を生やした変死体が次々と発見され、ささめはそれがネットで見た冬虫夏草の菌に感染した昆虫の行動のようだと感じる。だとしたら、なぜ同じ場所にいた自分は翔太と同じ状態にならないのか……と不安に思ったとき、ささめの前に防護服に身を包んだ人物が現れる。
「平井翔太君の友達だね? 話を聞かせて欲しい」防護服に身を包んだ人物は、国立感染症研究所の研究員の神崎マドカという男性だった。マドカはネットで変死が続くささめの町の噂を聞きつけ、新種の感染症が発生したのではないかと調査をしに来ていた。ささめからまるで冬虫夏草のようだという話を聞いたマドカは、ささめに調協力をするよう提案し、二人は調査を始める―――
『それが人を宿主に選んだとき、混沌は始まる』
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