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ここは、本当に人間が生きている場所なのか?
都内一等地のタワーマンションの8階。
編集部に案内されたのは805号室。
合鍵を渡されてそこに着いたとき、ドアの前に立っただけでひどい悪臭だった。
「おぇ・・・」
どうして俺がこんなところに来なくちゃならんのだ。
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一ヶ月前。
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「獅子尾さん。悪いけど、来週から長崎に行ってもらえるかな?」
「え!?長崎ですか!?」
世の中の景気はバブルの時代よりも良いと言うのに、俺の勤める車部品工場は人件費削減と、労働時間調整の為に会社から数人出張を命じられた。
長崎工場はほぼロボット導入が済んでいて、行っても不具合管理や、現場監視が主で4時間交代と言う楽作業。福利厚生は短時間交代職となるため除外。
つまり、働き盛りの俺からしたらクビを突きつけられているようなものだった。
「ここではもう、人手が足り取るのよ。長崎行きが受理できなくば、依願退職も受け付けてるからね。期限短いけど明後日には答えだしてくれるかな?」
工場長の温和な笑顔は悪魔の微笑としか思えなかった。
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