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コウスケ君の心臓の音がする。
こんなのベタで、漫画の中でしか描写されない恋模様かと思っていたが本当にドキドキなっている。
「あのさ、すごく今更で言いにくいんだけど、」
「…なんです?やっぱり無理とかやめたってのはなしですよ?」
「そういうことではなくって!
えーっと…その…俺の名前…、『今田丈一郎』っていうの、コレ、ペンネームで…」
コウスケ君は驚いて目を見開いた。
「え!!!?」
「本名は『ヤマダイチロウ』って言うんだけど…金子さんが!山田はありきたりだとかイチロウじゃもったりするとか、そんなこと言われて、インパクトのあるペンネームにされて、さ…。」
「ふは、そんな誕生秘話があったんですね…。はは、ははは!このタイミングで!ははは!」
コウスケ君が笑い転げてる。
「ご、ごめん、さっさというべきだったけど、なんかタイミング逃すし、慣れちゃってさ…」
「ははは!ナイスタイミングですよ!山田イチロウさん!改めてよろしくお願いします!さっ!お腹空きませんか?ご飯食べちゃいましょ!」
そういうとサッと俺ごと起き上がってニッコリ笑った。
「うん。ありがとう。」
「あ!これから、イチロウさんって呼びますね。」
「ぅ、ん。なんか、照れくさいな…」
「イチロウさん。」
「は、はい。」
「イチロウさん」
「はい」
「イチロ…
「名前は用があるときに呼べばいいから!」
「ふふ、イチロウさん、一緒にお風呂入りましょうね♪」
「ぐ…、ちょっと考えさせてください。」
「えーー!」
END
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