変装野菜

　あるおうちで家族みんなで美味しそうなご飯を食べていました。料理には豚肉、牛肉、卵、ニンジン、玉ねぎ、じゃがいも他にもたくさんの食べ物が入っていました。食べ物たちは自分たちが食べてもらえる時を今か今かと待っていました。
　どの食べ物たちも次々に食べられていきますが、三つの野菜だけ残ってしまいました。
　トマトとナス、ピーマンです。
「あーあ、今日も残されちゃったトマ。」
「ぼくもっス。一口も食べてくれなかったッス。」
「ぼくなんて見るのも嫌だって言われたっピー。」
　トマト、ナス、ピーマンは子どもたちに嫌われている野菜。いつも子どもたちに食べてもらえません。しかも、子どもだけではなく大人たちにも食べてくれない人がいます。
「じゃがいもやとうもろこしはいいトマ。二人ともすぐに食べてもらえるトマ。」
「フルーツも羨ましいッピ。フルーツ嫌いなんて人見たことないッピ。」
「どうすればぼくらも食べてもらえるっス？」