65人が本棚に入れています
本棚に追加
深い闇の真ん中に白く光る褥がある。
その上に四肢をしなやかに伸ばした裸身の虎彦が、仰臥する早矢兎に覆いかぶさって微笑んでいる。
早矢兎は身体が動かない訳ではないが手脚がやけに重く動かすのが億劫に感じていた。
見上げるすぐ目の前でくっきりとした睫毛に縁どられた薄茶色の瞳が嬉しそうに揺れている。
「これは夢でしょう?虎彦さんは獏か何かで私の夢を食べに来ている」
「夢ではないですよ。夢なんぞ獏の食べ物です、私が食べたいのは…」
虎彦はそこで言葉を切って続きを言う代わりに早矢兎の唇を吸い始めた。下唇を緩く噛み上唇を舐めその柔らかさを確認してゆく。暖かい掌が首筋をそろそろと這い上って耳の形を確認する様に周りを探ると早矢兎は思わず息を漏らした。開かれた唇に薄く力強い舌が入り込み、ザラリとした感触が早矢兎の欲望を開いた。
目を閉じて上気した顔を上に向けて吐息を漏らしながら虎彦が腰を動かしている。
手で扱かれて硬く屹立した早矢兎のそれを自分の孔に擦りつけて、先に滴っている粘液を塗り広げながら少しずつその中心に沈め始めた。
最初のコメントを投稿しよう!