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暫く忙しい日々を過ごしていた早矢兎だがこれ迄の様な愁訴に苛まれることはなかった。身体の重たさや倦怠感も薄れ以前の快活さが戻っていた。そんな矢先本家から何時も処方をして呉れている漢方医が、珍しく早矢兎の家を訪れた。
「診察というものは此れ迄の既往歴や貴方の性格を加味して診るものであって、一刻会っただけの医師を名乗る者の処方を信用するなどあってはならない事です」
どこから聞いたのか早矢兎が別の処で処方して貰った薬を服用している事を責めた。そして忌々しそうに問診をした後ぞんざいに早矢兎の身体を切診し、新しい生薬を届けさせるので必ず飲む様にと言い残して帰って行った。
新しい処方では一時的に倦怠感が出たり不調を来す可能性があるが、それは好転反応でありそこを抜ければ直ぐに良くなるのだと言われると何も言葉を返すことは出来なかった。
新しい薬を服用し始めた途端本家の医師の言っていた好転反応が出始めて早矢兎を苦しめた。
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