2章

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そしてポケモンセンターにて宿泊することになったゼロ、リン、ナギサ、ユリカ。 「…これ、本当に栄養とれるのか…?VRだからなのか、味がしない…。流石に味覚までは再現できないか。」 と俺は思ってた事を素直に言う。 「現実世界では恐らく皆さん点滴をされていると思われますので、そちらの方は大丈夫かと思いますよ。」 「なるほど、な。ならこっちでは食わなくても大丈夫か。」 「いえ、そういうわけにはいきませんよ。こっちでも食べないと、スピードが出ないですよ。」 「え?どうなるんですか?」 と問うナギサに、 「極端に言えば、走れなくなります。そうなると、近くならまだしも、遠くのボスポケモンに到達する前にボスポケモン討伐が終わってしまいます。本来ならそれでポケモンを倒せなかったという事で終わるんですが、ゼロさん、リンさん、ナギサさんは手持ちを増やせる数少ないトレーナーなので、戦力を捕獲できないとなるとそれは致命的になってしまいます。」 と説明してくれたユリカ。 「なるほどな。なら食っとくか。」 「でも、トレーナーのランクが上がれば料理スキルも取得できるので、そこで味のある食事ができるようになりますよ。設定上、料理スキルは女性限定となっていますが。」 そうして味気の無さすぎる食事が終わり、俺達は明日に備えて眠った。 ユリカ視点 3人が寝静まった頃、 「…巻き込んでしまってすみません皆さん…。」 と謝罪する。 すると、開発者兼ゲームマスターのクロキが現れた。 「ユリカ…こんな所にいたのか。随分捜したんだぞ。さあ、俺と一緒に現実の世界へ戻ろう。一刻も早く戻らないと…お前の体に負担をかける事になる…お前だって分かっているだろう…?さ、行くぞ。」 クロキは彼女の腕を引っ張る。 「嫌よ…!離して!私はレインを捜しているの!彼に会うまで戻らないわ!」 「…。また雨斗か。俺に隠れて肉体関係を持ったやがって…。」 「!?何で、それを…。でも私が愛しているのはレインなのよ…。」 「それにそこの3人にボスポケモンを捕獲出来るようにしたようだな。」 「早く攻略して皆を現実世界に戻してあげる為よ。…優しかった頃の貴方に戻って…。」 と涙を流しながら私は言った。 「…お前の涙を見てると気がおかしくなる…!今日の所は引く…!」 と言い私の目の前から姿を消したクロキ。
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