幼馴染みの恋愛事情。count.0

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 雪の唇で塞がれた透の口から、小さな吐息が漏れる。 「ぅ…っは…」 「お分かり頂けましたか? 透クン?」  透の口角に残る唾液をぺろりと舐め上げて、雪が問いかける。 「えーと…、これはその、ボーイズラブ?」 「まぁ、そうなんのか?」 「ああ、……はい…」  そう、返事をしてみたものの、透にはもうひとつ気になる事がある訳で…。 「雪が殴られてやるって事は、それはモシカシテ…?」  パタンとノートを閉じる音に、恐る恐る透が向けた視線の先で、駿は微笑む。 「そう。もしかして」 「オトコノコ、だけど…」 「知ってるよ?」  雪の腕の中だけど、目の前には駿がいて。透に逃げ場はない。 「ボーイズラブ、なんじゃない?」 「ああ、……は…ぃんっ」  透が返事をする前に、言葉ごと駿の唇に飲み込まれた。 「っふ……ふぁ…」 「理解してくれた? 透」  しゃがみ込んだ駿が、透の頭をくしゃりと撫でる。 「あのー…、一応、聞いてもイイデスカ…?」 「あん?」 「なに?」  雪と駿。二人を交互にみやった透が問いかける。 「その…、これって…ドッキリとか…」 「「ないな」」  はっきり。きっぱり。否定の言葉が綺麗にハモる。 「デスヨネ…」  雪と駿の間で、透はガクリと項垂れた。
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