幼馴染みの恋愛事情。count.0

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幼馴染みの恋愛事情。count.0

『何年何組の三人組』いつの頃からか、そんな通り名がついていた。  生まれた病院も一緒なら、家も近所。何の因果か、保育園から高二になる今まで、クラスすら別れたことがない。  眉目秀麗な都築透(つづきとおる)と、頭脳明晰な眞崎駿(まさきしゅん)と、文武両道な相馬雪(そうまゆき)。  ご近所でも評判の、幼馴染で親友。そう、思っていたけれど…。 ◇ プロローグ ◇  透の部屋は、そう広くない。  百七十センチを超える高校生男子が三人も居れば、手狭感は否めなかった。  けれど、これが三人には普通なのである。 「あ。そういえば雪」 「あん?」 「田村って子が、雪の事好きだって」  唐突に、読んでいた雑誌から顔をあげて告げた透に、雪が咥えていたプリッツがポキリと折れて口から落ちた。   「ははぁ~ん? で、なんで透がそれを俺に言うかな」 「頼まれたから?」  言いながら再び雑誌に視線を落とす透に、今度は駿が課題のノートにペンを走らせながら問いかける。 「田村さんって確か、透が狙ってた子じゃなかった?」 「エグルナヨ?」 「ああ、告白する前に振られた訳か」  嫌な予感に忠告する透の傷を、駿はあっさりと抉ってくる。     
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