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『あ?どうでもいいとかなんじゃい貴様?!バイセクシャルの輝かしい文化事業に文句でもあんのか!コラ!!』
「あ〜ん?!別にジジイの高尚な趣味に文句もクソもねーけど?こっちが興味あんのはかぐや姫の蜜壺の方だけやけど?!お前こそわかってんのか?!ああ?」
メンチを切合い、ハゲしくにらみ合う竹取りの翁とモモ太郎。
お前ヤッたるぞ?コラ!三秒で合体やぞ!コラ!?わかってんのか!お!?
やってみろや!コラ!こっちは天の岩戸なみにケツ穴〆《しめ》てやるぞ!?わかってんのか!ああ!?
もはや別の闘いへと昇華した二人の仲は絶頂寸前に達し、四つん這いで高々とケツを上げ「コイヨ!カカッテコイヨ!コノヤロウ!!」とマッパで威嚇するモモ太郎と、これを迎え撃たんと、『ヤッテヤル!ヤッテヤルゾ!』と受けて立ち、作務衣の裾をはだけフンドシの紐をほどきにかかった頭の中身が竹の中身なジジイが、決戦地と定めしココ竹林はまさに“ハッテン場”満点の、ナンカねちゃっこい、白っぽい粘液が湧いてきそうにオヤジ臭全開の迷惑な様相を周囲に呈していた。
{ありをりはべりいまそかり?}
ふわ?
誰?いきなり脈略もなく“ラ行変格活用”をしゃべりだしたの?
モモ太郎がケツ穴をギュッと閉じて、これから始まるジジイからの力強い攻めに対して徹底抗戦の構えをみせていた時に発せられた、意味不明な発言に一気に耳目を惹かれてしまった。
『おお!かぐや!イヤこれは違うのじゃ!ス、Steam engineの解説を、そ、そうじゃ!蒸気機関のロコモーションなsteam locomotive。つまり!蒸気機関車の力強い車輪の動きをよく見たらなんかこう!そう!なんかこうね!とってもエッチーな気分にさせるピストン運動を詳しく連想してしまってね!カウパー線が発動してね!だからね!なんかその、そこんところわかるでしょう?!突っ込み力が股間に溜まって来るでしょう?!ね!ね?』
盛大にわかんねーよ。ジジイ何いってんの?んで、あとそんなもの溜めんなよ!!
やたら狼狽え、動揺を隠せないジジイの態度と言動を観察し、ついで両膝をつくジジイをそっと優しげに見下ろす超絶美少女を眺め見た。
お‥‥おぅふ。
間近に迫るとこの女の子、クッソ近寄り難いオーラを後光のように放ちまくっている。
ヤバい、なにコレ、マジでヤバい。この子の言うことなら、なんでも聞いてしまいそうな気分にさせられそうになって仕舞いそうでたまらなくなる。
なんだコレ?!どうしたコレ!?
{こきくるくるくれこい}
へあ!?今度は“カ行変格活用‥‥”だ‥と?!
そしてジジイ以上にさっぱり彼女が話している言語の意味がわからない。なんだこの訳わからん雅な女子力は!?
{なにぬぬるぬれね}
お次は“ナ行変格活用”なのか!?誰か通訳を!!今なら先着十名様にボキのスカしっぺを胸いっぱい嗅がせてあげるから!!
「お爺さん。お爺さんの色欲話はもういいです。まいどのことですから、それよりもこちらの方々はどちら様ですか?って、この時価総額千両の綺麗なおべべを着てるこの子がさっきから聞いてるよ?」
地べたを這いずり回り、なにか食えるものはないかと探索していたタヌ子が、さっきいじくり回していた“犬のクソ”を再発見し、
「カリントウだぁ!ヤッター!!」
などと喜び、クソの存在をまるっと忘れれる鳥頭以下のコイツの頭の中身の構造を、マジで知りたくなりつつ呆れ果てたオレの悲しい気持ちを更に驚愕させる事態を招いていた。
「お、お、お狸さま?おま‥‥」
『た、た、狸のむすめ!お前、まさか我が子のしゃべりがわかるのか!?』
待てーい!
おいジジイ!今までどうやってこの子と長年コミュニケーション取ってきた!?
スパーン!
と、モモ太郎は思わず盛大なツッコミを竹取の翁の後頭部に張り手としてキメてしまっていた。
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