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モモ太郎と鬼ヶ島。
むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんにポイ捨てされ村人にも見捨てられたモモ太郎(38)がいました。
モモ太郎は、『くそん!拾い親の癖に見捨てやがって!ニートのどこが悪い!おら働けよ!オレを養えよ!それが義理ってもんだろ!!』
などと宣い、この言葉を聞いたおじいさんおばあさんをはじめ、村の人々にも更にボコボコにされながら モモ太郎は、『いつか絶対仕返ししてやっからな!!』
とか捨て台詞を残したので、最後のドロップキックをおばあさんから繰り出されながら、村をあとに✕追い出されて〇しまいましたとさ。
そんな恥ずかしい境遇のモモ太郎は、旅の途中で出会った妖怪少女三匹を伴い。今はココ、瀬戸内海の海上をキコキコ
櫂で漕がれる舟の上。
「うぇ、あれが噂の鬼が島かな」
「あぅぅ…。もう着いちゃったよぉ…」
「鬼強い…。とっても恐ろしい…」
「そうやそうや。あれらはえげつないんやで…」
瀬戸内海の真ん中で時折モヤに覆われながら浮かぶ、まさに鬼の角ようにとんがった二つの山を持つ通称【鬼が島】を臨みつつ、オレたちは恐怖に慄き震えていた。
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