泣いた日

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 僕はないていた。 たくさんないた。 それでも涸れることのない涙は、我先にと、ほほを伝いこぼれ落ちる。 きっとそれは、閉じたまぶたに映るたくさんの思い出が眩しく輝いているからかもしれない。 『どうしてないているの?』  始めて僕が君に声をかけた言葉。 それがすべての始まりだった。  世界の色が変わる。 観ている景色すらも別のものへとかたちを変える。  君と出会ったのは偶然だったのかもしれない。 でも、偶然君に出会えた奇跡が僕を別人に生まれ変わらせてくれた。  何度でも君に伝えたい。 『ありがとう』 『ありがとう』 『ありがとう』 『ありがとう』 『ありがとう』 何度言っても言い足りない。  そして、 『ごめんね』 『ごめんね』 『ごめんね』 『ごめんね』 『ごめんね』 何度言っても言い足りない。 もっともっと君にしてあげられることがあったはずなのに…。  たくさんの『幸せ』と、たくさんの『後悔』が交錯し、頭の中をぐるぐるかきまぜる。 とどまることのない涙が、その勢いを増し両目から溢れ出す。 『どうしてないているの?』 ふと後ろから聞こえた声にふり返る。  君の大好きだった桜の花びらが落ちていた。  その花びらを手に取り、僕はまたないた。 舞い散る桜の花びらが大好きで、よく追いかけていたね。  手に取った花びらを握り締めると、君のないた声が聞こえた気がした。 周りを探しても君はいない。  もうこの世界に君はいない。 その冷たい現実は変えることはできないけれど、君との想い出はずっと僕の中で生き続けている。  たくさんの『ありがとう』と、たくさんの『ごめんね』を抱きしめて歩いていくね。  また会おうね…タマ…
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