洋人と奈波

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無事に免許を取得し、自室に戻って改めて免許証を確認してみる。 訳がわからないうちに写真を撮られたせいか、少し間抜けな表情で写っている気がする。 俺は少しだけ苦笑いしつつ部屋の窓を開けながら、外の景色を眺めてみる。 いつもと変わらない、リアス式海岸の海が広がって見える。 窓から入ってくる風が少し冷たく感じるようになって、そろそろ秋が近付いてきているんだと予感しながら、ふと奈波の事を思い出した。 この免許証の顔写真を見たらきっと奈波は「間抜けだね。」と笑うんだろな。 そういえば、免許を取ったらドライブに連れてってね。と奈波にせがまれていたっけ。 そうだ。 奈波をドライブに連れて行かなくちゃ。 そう思い立ったら居ても立っても居られなくなって、俺は急いで支度をし、台所で夕飯の準備をしていた母さんに車を貸して欲しいと頼み込んで、奈波の家へと向かうことにした。 車のキーを差し込んでエンジンをかける。
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