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洋人は屈託のない笑顔で無邪気に喜んでいる。
こういう素直なところというか純粋なところが、きっとあの子の気持ちを惹きつけてやまないんだろうと心の奥底で感じてしまう。
「これで無事に来年から車で通勤出来るな。お前はあとは船舶免許も取らなきゃだな。」
無邪気に喜ぶ洋人にあえて現実をつきつけて、あの子の気持ちを惹きつけている事への小さな嫉妬心を当てつけてみる。
すると洋人が予想通り、少し暗い表情を浮かべる。
「今日くらい運転免許を取れた喜びを味あわせてよ。」
しゅんとなる様子が叱られた子犬みたいだ。
本当に素直過ぎて、なんだか俺の方が罪悪感を感じてしまう。
「そう言えばこないだの花火大会、どうだった?屋台売れた?」
俺は思いっきり話題を変える。
洋人は嬉しそうな表情を浮かべて話し始めた。
「うん、大盛況でさ、しかも拓未も浴衣着てゆっこと奈波も来てくれたんだよ。」
それを聞いて俺は胸の奥をギュッと掴まれたような気持ちになった。
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