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「はぁ??」
俺は怒気と呆れがまじった心の声を何の躊躇もなくダダ漏れさせてしまう。
俺のため息に逆に驚いた洋人が瞬きを繰り返しながら、何が起こったのかわからないといった表情を浮かべている。
洋人の言った、奈波が拓未と花火の場所取りに行ったのにひとりだけ洋人の元へ帰って来た。そして打ち上げ花火の最中に泣いていたかもしれないっていうが本当ならば。
どう考えたって、奈波と拓未が2人っきりになった時に何かがあったに違いない。
どう考えたって、そうだろう。
何も気が付いていない洋人の鈍感力に頭が上がらないと共に、それを分かっていて悟られない様にする奈波の健気さにまた胸の奥がズキンとする。
「え、なんだよ。そんな呆れた声出して。」
洋人が気が気でない様子で俺のため息の理由を探ろうとしている。
そんな洋人を見て、思わずまた小さくため息をついてしまう。
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