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自動販売機があるドリンクコーナーは廊下の突きあたりのこじんまりとした空間だ。
コーヒーの空き缶を捨てると、私は小銭を取り出して声に出して言った。
「次は何にしよっかなー」
今のあの部屋は、こんな風に気楽に喋れる雰囲気ではない。
頼みの綱の西岡課長は忙しそうだし、関西にいる友人たちとは会うことはもちろん電話する暇もないので、私はゆるい会話の相手に飢えていた。
眠気覚ましのコーヒーは効果があったのかどうなのか、大して頭は冴えてこない。
むしろ後味で口の中が粘ついて、歯磨きでもしたい気分だった。
「コーヒーはやめよ」
すっきり感を求めるなら、やっぱり炭酸だろう。
お金を入れ終えた私は二つある炭酸系のどちらにするか、迷い始めた。
後ろで順番を待っている人物の存在に、まったく気づいていなかった。
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