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だらしがないと思われたなら、そうなのかもしれない。
自宅にいる姉と違い、親の監視の目は届かない。
一人暮らしの部屋に、彼氏が来たことは何度かある。
当然、彼が期待することは一つだ。
でも土壇場になって、私は自分の気持ちがついてこないことを悟った。
身体が反応してくれないのだ。
痛くて怖くて何度も未遂を繰り返した末、彼に対する申し訳なさから観念して、ついに私は最後まで耐えた。
あの時の痛みと喪失感を思い出し、思わず目を閉じる。
相思相愛の相手を待たずにバージンを捨てた私は、やはり汚れているのだろう。
でも、身体を重ねたらきっと彼を愛せると思ったのだ。
でも、彼を好きになろうと思えば思うほど、身体はそれを拒否した。
彼には今でも申し訳なく思う。
次の相手とは、関係を進める前に別れた。
そして二十四歳の今になっても、私に幸せな恋の気配はない。
でも、一生バージンでいるより、あれはあれでよかったのだと思う。
こんなに冴えない恋愛経験に加えバージンまで引っ提げて遼太郎に再会するなんて、あまりに情けない。
捨て鉢な気分になって、炭酸をぐいぐい飲む。
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