消せない恋心~嫉妬と誤解

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*** 第一回のプレゼンテーションを終えても,仕事のハードルは高さを増してまだまだ続く。 膨大な情報から具体像を構築していくため、連日ディスカッションが続いた。 実績を認められて選抜された精鋭だけに、彼らの思考の回転の速さや深度についていくのは、まるで難解な講義を聞いているようなものだった。 講義のように聞くだけでいなら、まだいい。 生徒ではないのだから、私も対等に発言しなければならないのだ。 「なんか……。激しく場違いでしたかね……」 「気にするな」 昼休みの屋上庭園で、私はフェンスに両手でぶら下がるようにして項垂れた。 隣では西岡課長が美味しそうに昼の一服を楽しんでいる。 倉上ビルではここが唯一、煙草を吸える区域だ。 「それって、やっぱり場違いだったってことですよね?」 「まあ否定はしない」 「あああー」 「ほらほら、チンパンジーだと思われるぞ」 西岡課長が社員食堂の窓を顎でしゃくってみせた。 「はい……」 ぶら下がるのをやめ、また項垂れる。
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