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「社風が違うにしても、だ。上司が部下に触れるのが秦野の文化なのか?」
思い出すのは数日前、屋上庭園で西岡課長が落ち込む私の頭を撫でたことだ。
周囲に人はいなかったけれど、ガラス越しには大勢の社員がいた。
うちの社では自然にやり過ごされる光景でも、他所では違うのだ。
他にも、最初の自己紹介の最中にも課長が私を励ます時に肘を叩いたことがある。
遼太郎は、それも目にして不快に感じていたのだろうか。知らずにこの一か月を過ごしてきたことを考え、私は青ざめた。
「噂になってるの?」
「まだだ」
とりあえずは大丈夫なようで、少しだけ胸を撫で下ろす。
でもそれは時間の問題だと言いたいのを控えたのだろう。
遼太郎の表情から十分に読み取れた。
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