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でも、捨て台詞を吐く前に、逃げる準備は忘れない。
そっとバッグに手を入れ、定期を探り当てる。
それから息を吸い込んだ。
「今後は気をつけます。お疲れ様でした!」
否定なんかするもんか。
澄ました顔で言い放つと、遼太郎の反応も見ずに私はすぐそこにあった改札に飛び込んだ。
それから遠くに見える半蔵門線のエスカレーターに向かって猛ダッシュした。
アドバンテージは定期を取り出す時間だけ。
足の長さでは勝負にならないけれど、捕まるのだけは嫌だ。
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