影は闇に非ずⅤ

第十四章 蜘蛛を持つ男 四

「向こうの世界には干渉できませんが、蜘蛛の仕業で納得できないならば、細菌兵器としての情報と、人を溶かす溶剤のようなものの情報も用意して、向こうの警察上層部にお渡ししました。でも、今回は、小型爆弾があったで納めるそうです」
　どう情報操作するのかは、既に決まっているということか。ならば、後は蜘蛛を処分することだけに専念できる。
「分かりました。蜘蛛を処分します」
「……守人様が危険だと、我々が出ないといけないでしょう？面倒ですね……」
　清水は、笑顔のままで車を運転していた。