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清水は神社に車を止めると、そのままご神木まで見送ってくれた。
「ああ、面倒です」
何度も清水が面倒だと言っているので、送迎はいいと言おうとしたが、清水はご神木に登っていた。
「清水さん、どこまで送迎なのですか?ここでいいですよ」
「生活安全課は、守人様との契約を守ります。結界の維持のため、守人様の危険を排除します」
清水が棒読みで説明してくれた。
「……清水さん?」
清水がずっと笑顔のままなので、表情が読めない。
「私、蜘蛛が嫌いなのですよ」
そこで、清水が駆け上がるように、ご神木を登ってしまった。俺も追い掛けるようにご神木に登ったが、もう清水の姿が無かった。
蜘蛛が嫌いで、村から逃げたのではないだろう。
「谷津、現場の映像を見せて」
谷津も既に、映像を見て確認していた。すると、そこには清水の姿があり、蜘蛛を見つけると、片っ端から凍らせて、更に粉々にしていた。そして、画面に向かって、何か言っていた。
「私、蜘蛛が大嫌いと言っているのかな?」
蜘蛛が大嫌いで、蜘蛛を皆殺しに来ていたのか。でも、清水だけでは、駆除の大変そうなので、俺も現場に向かおうとした。
「上月、蜘蛛使いを見つけようか?」
元凶の蜘蛛使いを見つけないと、表面の蜘蛛を解決しても、又事件が起こるということになる。
「そうしたいけど、情報が少ないよね……」
清水の元には、黒川と永新が行くというので、俺は谷津の部屋へと向かった。情報が少ないのならば、造ってゆけばいい。
谷津の部屋に入ると、谷津が壁のように見えていた扉を開いてくれた。そこには、各種の端末が揃っていた。
「まず、お好み焼きやの店主は、どこにいるのかだよね」
「そうだな」
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