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「俺も、お兄ちゃんと呼んで……」
「永新さん……ふざけないで」
しかし、しつこく永新が絡んでくるので、つい呼び捨てになってしまった。
「永新!ダメ。お座り!」
「俺は、犬か……」
周囲の目が優しくなり、クスクスと笑っていた。見た目は違っているが、四兄弟でまとまったらしい。
「永新、小出はよそ者だから、村では危険だぞ。ちゃんとフォローしておけよ」
「分かっている。今も、安居が見張っている。安居も、蜘蛛のペットが欲しくて、興味があるようだし」
そこで、料理が出てくると、黒川が取り分けてくれていた。
「やはり、上月家が無いのが面倒だな……慧一は八重樫の領土にいるしね。人を匿うにも場所がない」
山の土地は、手付金は支払ったらしい。俺は金線面に弱く、さっぱり分からないが、毎月結界の分だけ、使用料が振り込まれていた。その使用料を前払いして貰い、手付金としたらしい。
これで、工事が始められる。
「上月、柴崎が結界を張ってくれたら、金をやると言っているだろ、少し稼いで来い」
冷たく黒川が言うが、俺が一人で柴崎を訪ねたら、又怒るのではないのか。
「柴崎も蜘蛛に興味を持っていてね、ほら主は基本的には人だからね……」
それでいったら、相馬の源一など蜘蛛を必要とするのではないのか。
「源一さんは、どうですか?」
そこで、永新ばかりか黒川も首を振っていた。
「源一には蜘蛛を飼える程、血液がないでしょ。もう、時々ミイラだしね」
そこで、本物のミイラを見ると、金色と情報交換していた。
「大慈、いい友達ができたね」
「いいえ、大慈先生ですよ。凄い知識です!」
大慈は、金色に感動されていた。
「私も勉強になります!金色さんの経験はとても素晴らしい」
やはり、いい友達になっていた。
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