第十七章 思い出の中の悪魔 二

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 小出は短く答えていた。それでは、泥人形のままでいるしかないのか。俺も、泥人形には詳しくないので、生きていられるのか自信がなくなってくる。 「でもな、ある限りの臓器も持ち帰る。手足の再生と、内臓の再生は別々だが成功しているので、調整してみるよ」  このまま、生きた地獄にいるよりも、元の世界に戻してやりたい。もしくは、今、あのリンクにいる者の願い、死を与えてあげたい。でも、助けられずに殺すということが、犯人の狙いならば、犯人の望み通りにはしたくない。 「でも、蜘蛛は病んだ精神は治せないからな……」  確かに、閉じ込められた状態で、恐怖を与えられ続けているので、正気なのかは分からない。 「上月、蜘蛛を一匹貸して、カメラを付ける」  そこで、小出が一匹貸してくれた。 「犯人もリンクの先にいるのでしょ?大丈夫かな……」 「それは、俺が行こうと思っている。蜘蛛の遠隔操作には限界があるからね」  小出が行くと言っているが、小出は人で戦闘員でもない。長く生きているので経験は豊富であるが、犯人に対しての戦いは不利であろう。 「なら、俺も行くか……」  この中では、俺が一番リンクに馴染んでいるだろう。     
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