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「上月、守人様っていう自覚があるの?」
谷津に腕を掴まれたが、俺が行くのが最適のような気がして来た。
俺は部屋の中央に戻ると、里琴の前に正座した。そして、深く頭を下げる。
「犯人を捕まえてきます。リンクを少し貸して下さい」
里琴は首を振り続けていたが、このまま何もしなければ、永遠にリンクを怖がりながら過ごすしかないのだと分かっていた。
「……必ず無事で戻ってきてください」
「そうします」
そこで、里琴に目隠しをして、俺がいいと言うまで外さないで欲しいとお願いしておく。
「小出さん、お願いします」
里琴の腹に手を当てて、リンクの所在を確認してみる。
「リンク繋ぎます」
里琴の腹部が、暗くなってきた。そこで、小出は蜘蛛を中に入れていた。その蜘蛛の数は、数千を超えていて、列になって入って行った。そして、最後に泥人形を持った小出が中に入ってゆく。
「チビ助、この泥人形が出てきてから、次の泥人形を持って入ってきて」
二体では少ないので、泥人形を用意しろという。そこで、俺は中に入るのを中断して、泥人形を作ってしまった。
「成人、二十代男性三体と女性一体」
出来上がった泥人形は、リンクの中に投げておく。
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