第十七章 思い出の中の悪魔 二

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「上月、守人様っていう自覚があるの?」  谷津に腕を掴まれたが、俺が行くのが最適のような気がして来た。  俺は部屋の中央に戻ると、里琴の前に正座した。そして、深く頭を下げる。 「犯人を捕まえてきます。リンクを少し貸して下さい」  里琴は首を振り続けていたが、このまま何もしなければ、永遠にリンクを怖がりながら過ごすしかないのだと分かっていた。 「……必ず無事で戻ってきてください」 「そうします」  そこで、里琴に目隠しをして、俺がいいと言うまで外さないで欲しいとお願いしておく。 「小出さん、お願いします」  里琴の腹に手を当てて、リンクの所在を確認してみる。 「リンク繋ぎます」  里琴の腹部が、暗くなってきた。そこで、小出は蜘蛛を中に入れていた。その蜘蛛の数は、数千を超えていて、列になって入って行った。そして、最後に泥人形を持った小出が中に入ってゆく。 「チビ助、この泥人形が出てきてから、次の泥人形を持って入ってきて」  二体では少ないので、泥人形を用意しろという。そこで、俺は中に入るのを中断して、泥人形を作ってしまった。 「成人、二十代男性三体と女性一体」  出来上がった泥人形は、リンクの中に投げておく。
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