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「教室で又五人殺されていたと推測された。音楽室では六人」
直江津は、おっとりとした性格であったが、それでも五強で子供に負けるわけがない。そして、血液型の確認がされ、残っていた遺品から身元が判明されていった。
「直江津は失踪したままで、犯人扱いされているけど、重要参考人だよ」
直江津が五強でなければ、殺されていると判断されていたという。他に、直江津の日誌が無かったので、犯人が持っていると推測されていた。
「日誌ですか……」
状況だけで、直江津が犯人になっているが、証拠は何も無かった。しかし、分かっている事は、これは殺しで喰う行為ではないということだ。そこで、×の暴走であると推測されていた。
「全て、推測ですね」
「ま、そうだね。それで、守人様は又関わっていると」
多美は、料理をする手を僅かに止めた。
「体育館の足跡は、血の上を踏んだのではなく、血飛沫がかからなかった跡だった。すると、生徒が暴走した線は外せない。そして、直江津は崩壊寸前まで×を喰った者で、今さら暴走などしないだろうし。残っていた足跡は、直江津よりも小さい」
そこで多美は、直江津は暴走した生徒を、何らかの形で追い掛けただけで、犯人を庇って失踪したと考えていた。
「死体は無いからね……」
多美の説明で、失踪当時の状況は分かった。
「多美さん、暴走した×はどうやって止めるのですか?」
「まあ、暴走の理由によるけど。てっとり早いのは、血を飲ませる」
ベテランの×の血を飲ませると、体の暴走がストップする場合がある。血によって、×の経験値が流れ込んでくるらしい。
「他には、まあ直江津もそうだったけど、安定した×と、周期的に肉体関係を持っていると落ち着いてくる」
直江津の結婚には、崩壊を安定される意味もあったという。
そこで、時間になってしまったので、急いで定食をセットしてゆく。最近は、俊樹が手伝うようになっていたので、スピードが増してきていた。
「上月さん、あまり周囲に心配をかけないでください」
俊樹が、じっと俺を見つめて、困ったように笑っていた。
「心配をかけてはいないよ」
しかし、多美は俺が何かに関わっていると、村に連絡していた。
「上月さん、俺、自分の個性がないので、他の×の能力を取り込む能力があると分かりました」
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