第1章

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「ただし、ぼくになにかあって指揮が不可能になった場合は、第一副指揮官のサイコがチームと『須佐乃男』の指揮を受け継いでくれ」  ジャクヤが皮肉にいった。 「なるほどな、ジョージくんひとりで、ぼくたちふたり分という訳か。まあ、しかたないんやろうな。わかった。まあ、ええよ」  タツオはサイコに視線を移した。 「了解した。だけど、タツオが作戦継続不能になるようじゃ、本土防衛戦はとても勝ち目はないわね。死ぬときはみんないっしょだよ」  サイコのいうとおりかもしれない。だが、そうなったらそうなったときのことである。誰にも未来などわからない。タツオは日乃元に生まれた人間の資質として、戦いに敗れたときのことは一切考えなかった。
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