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「アキッ」
秋哉の側に駆けつけたテッペーが、すぐ隣にしゃがむ。
「おい、気をつけろ。その辺ガラスがある」
注意しようとした秋哉だったが、
「わー大変だアキ。血が出てる血が!」
テッペーは、自分のことは知らん顔で、秋哉の顔を見て大騒ぎする。
ピリピリする頭を、髪の毛の中に手を突っ込んで触ってみれば、
――ヌルリ
思ったより濡れた感触が伝わってくる。
「触るなアキ。バイキンが入る」
秋哉本人より真っ青な顔をして、テッペーが止める。
秋哉は言うことをきいて腕を下ろした。
見ると、自分の手のひらが、びっくりするぐらい血まみれになっている。
「アキ、行こう。保健室だ」
テッペーの肩を借りて立ち上がった。
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