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「オレは女に恨みをかうようなマネはしねーよ」
「でもアキ、こないだだって階段で突き落とされたり、黒板が倒れかかってきたりしたじゃねーか」
「階段はオレが自分で勝手に転んだんだし、黒板だって、留め金が古くなってたんだよ」
秋哉は、その時のことを思い出しながら、
「階段には、テッペーの他には誰もいなかっただろーが。黒板だってグーゼンだよ」
「そうは言ってもよぉアキよぉ」
テッペーは心配そうに眉をひそめて、
――ガシッ
いきなり秋哉の両脇を掴んだ。
「ウヒャッ」
弱いところを突然触られて、秋哉は甲高い女のような悲鳴をあげる。
テッペーは、そのままモミモミモミと、秋哉の横っ腹を揉みあげて、
「だってお前、ここんとこちょっと痩せちゃったしよぉ」
「ギャアアアア! よせテッペー」
「思い悩んでいるんじゃないかと思ってよぉ」
「やーめーてーくーれー!」
秋哉はテッペーの腕を振り切って逃げる。
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