77人が本棚に入れています
本棚に追加
「テメー、何してくれんだ!」
片手でタオルを押さえているのでぶん殴ることも出来ず、秋哉は振り返って、テッペーを怒鳴りつけた。
その瞬間、見えない手が秋哉の足首を掴む。
「え!?」
体勢を崩した秋哉に、タイミングを見計らったかのように保健医の車が突っ込んできた。
「アキッ!」
テッペーは腕を伸ばす。
「――」
ほんの一瞬差で、秋哉はテッペーに腕を捕まれ引き戻される。
車は秋哉のすぐ正面を通過した。
「……すまねぇ」
声を失うテッペーの腕の中で、秋哉はホッと息をつく。
「助かったわテッペー」
最初のコメントを投稿しよう!