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三嶋の困惑は承知の上なのか、秋哉は淡々と話を進める。
「神部がオレに何を伝えたいのか、ニブいオレには全然わかんなかったんだけどさ。今日、安井に会って、ちゃんとわかったんだよ。神部は安井を助けてくれって、オレに伝えたかったんだ」
「……助ける?」
口を挟んできたのは、安井本人だ。
「なんで京が。京だって来生くんを殺そうとしてたはずよ」
秋哉の言う通り、神部の存在を『有る』と信じるならば、三嶋の目にも、そう映って見えた。
秋哉を狙って投げ込まれた石は安井の仕業だと疑わないし、さっきも安井自身が秋哉を刺そうとしたと告白した。
けれどそれ以外のことは……。
学校の階段で背中を押されたり、突然切れた電柱の電線、それにさっき目撃したポルターガイスト。
生身の人間が起こせることだとは、到底思えないし信じられない。
理解を超えている。
アレは間違いなく超常現象だった。
そして、明らかに悪意があった。
安井の言葉、
「京も来生くんを殺そうとしている」
それに合致しているとしか思えない。
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