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4.ミカエル(守護神、そして死の天使)
頭を怪我して病院に運ばれたはずの秋哉が、翌日、普通の顔で登校すると、
「アキー」
テッペーは涙目になって喜んだ。
両腕を広げて抱きついてこようとするのを、
「ヤメロ、テメー。ウザいんだよ」
秋哉は容赦なくぶん殴って阻止する。
「ああ、このツレなさがアキだよなぁ。良かった無事で」
テッペーは秋哉に拒絶されても、メゲる様子もなく喜んでいる。
家を出てからずっと、深刻な顔が戻らなかった秋哉は、ちょっとホッとした。
テッペーの、こういう雰囲気づくりの才能は、正直ありがたい。
肩の力がスーッと抜けていく。
「ったく、テッペーはよー」
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