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私はもしかしたら、好きになった人がいるのかもしれない。それはさっきの人とは違うけど。 私が好きになった人は、明るくて、面白くて優しい。時折怖くなる時があるけど。その人は屑だなと思う部分も多い。私とは正反対に近い。明らかに欠点が多いのに、何で好きになってしまったのか今では不思議だ。恋は盲目というけど、欠点は見えすぎるぐらいに見えている。 一番嬉しかったのは、褒められたときだった。それまで、その人とはそこまで話すことが無かったのに、その日を境に良く喋るようになった。今では世間話まで普通にする。 良く目線が合うことは気になるけど、その人が私をどう思っているかは全然分からない。楽しそうに話しているのを見ると、安心する。嫌われていなければいいなとは思う。 さっき、私は居場所を失いたくないと言ったが、その居場所にこの人はいる。だから、私は好きだなんて言えるわけがない。関係が変わってしまって、そこにいられなくなったら、それほど辛いことはない。 好きでいるだけっていうのは、辛いかもしれない。それでも、おそらくこの人のことを暫くは好きでいるのかもしれない。 多分その人は気がついていないけど、私は元気がない時にその人に少し救われたことがある。私には無いその明るさに、私は憧れているのかもしれない。そして、一つの事に頑張り続ける姿にも。その姿を見ていて、私も頑張り、やがてはその人を超えたいと思っている。こんなこと、口が裂けても言えないが……。 いつの日か、ちゃんと感謝を伝えようと思う。 私は色んな人に出会った。優しすぎるカップル、夢に向かってかっこよく進む友人、現実主義でしっかり者の友達、頑張り続ける友達、少し抜けている部分がある子……。 私はその人たちの役に立っているだろうか?そうある事を願っている。仲間でもあり、敵でもある彼らとこれからも仲良くい続けたい。彼らと共に私は頑張り続けていけるだろうか? 今は辛くて、疲れてしまったけど、それでもこの場所を大切にし、守っていくのが私の願いだ。 それだけは、ずっと変わらないと思う。自分がリーダー的な存在として動くことはないだろうけど、せめて縁の下の力持ちとしてその場にいられたら、私は幸せだと思う。
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