第1章 女の子が降ってきた

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私は叩かれた頭を押さえながら、必死に胸の鼓動を隠していた。 「せっかく天気がいいんだ。外でも、遊びに行くか。」 「いいけど、パチンコ行かないの?」 「俺だって、毎日パチンコ行ってる訳じゃねえぜ?」 孔明が、口を尖らせている。 「そうだっけ?」 「ああ、そうだよ。」 そんな言い合いが、私を喜ばせている事を、孔明は知らない。 「行くのか、行かないのか?」 「……いく。」 久々に、孔明と一緒に出掛ける。 そんな日が、嬉しくて嬉しくて仕方がない事を、このクズ男は知らないのだ。 私達は、孔明の家を出て、近くにある散歩道を歩いていた。 「あーあ。すっかり寒くなったな。」 よれよれのマフラー。
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