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地道に働いている私にとって孔明は、見習いたくない人間の一人だ。
よく言えば、反面教師。
欲望のままに生きてる奴は、こうなるんだって言うお手本だ。
そんな孔明の元に、週末になると私が訪れるのは、ひとえに真っ当な道を歩んで欲しいからだ。
孔明は実家の庭に、自分で作った木製の家を建てて、住んでいた。
なぜ実家に住まずに、そんな家を建てたかと言えば、おばさんに文句を言われずに、女を連れ込みたいからなんだって。
全く、女たらしにも程がある。
「孔明。」
鍵かかかったドアをバンバン叩くと、しばらくして大きな欠伸をした孔明が出てくる。
「ああ、おはよ。千晶。」
孔明が着ている白いタンクトップからは、小麦色に焼かれた逞しい上腕二頭筋が覗く。
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