第5章 放心状態

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もう。 その好きが、何の好きなのかが、一番重要だって言うのに。 「じゃあ、クリスマスだからHしておく?」 無理してひな野さん風に言ったら、孔明から頭を叩かれた。 「そう言う事は、女の口から言わない。」 唇を尖らせて、頭を摩った。 「だってそうでもしないと、孔明、抱いてくれないじゃん。」 「そんな事ないって。」 私は、ゆっくりと振り向いた。 「千晶が俺を好きなのは、知ってた。」 「え……ええええ!」 余りの驚きに、一歩下がってしまう。 「でも、俺にとって千晶は大事だから、そう簡単に手は出せないんだよ。」 そう言った孔明の顔が、赤く染まっている事を、私は見逃さなかった。
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