おもちゃ屋ポプラ

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「おっ、ひつじちゃん来てたの?あけおめ、ことよろ!」 奥の倉庫兼休憩室から無駄に元気で大きな声が轟いた。 「嶋田さん!あ、明けまして・・・・・・って、ソレは・・・・・・」 「ん?どしたの」 嶋田さんの手には飲みかけの缶ビールが握られていた。 『嶋ちゃん、新年会モードだから。あはは』 羽鳥店長、優しすぎます!! 私の視線に気がついた嶋田さんは、あっけらかんと言い放った。 「コレかい?ふふん。三が日はさあ、無礼講だよ、無礼講!!ホレ、ひつじちゃんも一杯どう!?」 「いえ、飲みたいけど今は仕事中なのでっ・・・・・・!」 「みんなで酔っ払って接客してみようよ!面白いぜ、きっと!」 「いや、子供の前でお酒くさいとか、ないです!」 すると、缶ビールを押し返す私の横に細長い影が現れた。 「ひつじさん、明けましておめでとうございます。そして、もぉぉしわけございません!!」 「松下くん!?」 私の後輩で190センチの長身、通称・脚立要らずの彼が深々と頭を下げている。背は高いけど恐ろしく腰の低い大学生だ。 「嶋田さんの暴挙を止めることが出来ず・・・・・・。たいっへん、もぉぉぉしわけございません!!」 「あの、私に謝らなくてもいいからね?嶋田さんは一人新年会中みたいだから。とりあえず開店準備しよ」 松下くんをなだめながら準備をし、おもちゃ屋ポプラは開店時間を迎えた。 私は『あの決意』を胸に、入口の鍵を開ける。
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